《キリストの香り》
20世紀のインドの三大聖人とは、アジア人初のノーベル文学賞詩人ラビンドラナート・タゴール、インド独立運動の祖マハトマ・ガンジーそして宗教家サンダー・シング(Sundar Singh)と言われています。
そのサンダー・シングは、このような言葉を残しています。
「花について多くのことを知るには、長い時間を必要とする。しかし、その香りを楽しむには、一瞬しかかからない」。
このことばの意味は、あれこれ頭で考えずに、実際のものを一瞬でも体験せよということです。
春先に、尊敬する先生の葬儀がありました。喪主のご長男に電話したところ、偶然、自分の高校時代の同級生であることがわかりました
電話で声を聴いて、40年前の同級生の面影が昨日のように一瞬でよみがえってきました。
人とは不思議です。40年会ったこともなかった同級生の思い出が、花の香りのように思い出されます。それも、つい昨日のように思い出されました。
頭でっかちで、どんなにあれこれ研究しても、実際に花の香りをかいでみなければ、その香りを説明できません。しかし、一瞬でもその香りをかいだら、それは一生残る大きな宝物となります。
人間関係も同じで、かぐわしい香りを発する人物に会うことは、貴重な珍しい花に遭遇し、その香を体験するようなものです。一瞬でもその人の人格に触れ、影響を受けることができれば、それは人生の宝物になります。
自分も、周囲の人の心に深く残るかぐわしい香りを残す者になりたいですね。
現代の若者は、TVゲームやスマホなど画面を通して空想のものに浸ることが多くあります。しかし、花の香りひとつ知りません。体験すべき実物を体験しないなら、空しいことです。
十二弟子たちは、イエスの昇天後もそのかぐわしい香りを思い出すことができたはずです。敬愛する師は、本当に聖霊を受けたなら、世人が不思議に思うような者にならなければウソだと言っていました。一瞬でもかぐわしいキリストの香りに触れ、キリストの香りを人々にふりまき、周りの人々を天国に引き寄せる天の花のような不思議な人間でありたいものです。
※シトロンとその花:この木は花と実を同時に成らせるのです!