神の至聖所 ~聖書とキリストの啓示より~

 神の臨在(至聖所)の中で開かれる聖書の啓示を紹介します。聖書の日本語訳に疑問を持ったのを切掛けに、プロテスタント、カトリック、ユダヤ教などに学び、聖書解釈の記事も載せていきます。栄光在主!

人の一生は120年?訳がだんだんと変わる(改訂)

栄化を求める者たちは、この120年の呪縛から脱れる必要があります。

※2019.2.24の記事の中で、年数の齟齬があり改善し、再掲します。

人の一生は120年だという話は、創世記6章3節の和訳からの勘違いのようです。

6:3ヘブル語
וַיֹּ֣אמֶר יְהוָ֗ה לֹֽא־יָדֹ֨ון ❸רוּחִ֤י ❹בָֽאָדָם֙ לְעֹלָ֔ם בְּשַׁגַּ֖ם ה֣וּא בָשָׂ֑ר וְהָי֣וּ ❺יָמָ֔יו ❻מֵאָ֥ה וְעֶשְׂרִ֖ים שָׁנָֽה׃

 

And the Lord said, ❸My spirit shall not always strive with ❹man, for that he also is flesh: yet his ❺days shall be ❻an hundred and twenty years.(KJV‬‬)
「ヱホバいひたまひけるは❸我靈永く❹人と爭はじ其は彼も肉なればなり然ど彼の❺日は❻百二十年なるべし」(文語訳)

「❸わたしの霊はながく❹人の中にとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。しかし、彼の❺年は❻百二十年であろう」(口語訳)

「❸わたしの霊は、永久には❹人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。人の❺齢は、❻百二十年にしよう」(新改訳)

「❸わたしの霊は❹人の中に永久にとどまるべきではない。人は肉にすぎないのだから。」こうして、人の❺一生は❻百二十年となった。(新共同訳)

「❸わたしの霊は永久には❹人と争わない.人は実に肉であるからだ.それで、人の❺日数は❻百二十年となる」(回復訳)

なんでこんなに変わってしまうのでしょう。直訳したら「齢」とか、「一生」には、ならないと思います。意訳が多いのでしょうか。一番古い文語訳が一番正しいようです。

 

創世記6:1-6
6:1さて、人が地の面に増え始め、娘たちが彼らに生まれたとき、

6:2❶神の子たちは、人の娘たちが美しいのを見て、選んだすべての中から自分のために❷妻をめとった。

6:3そこで、エホバは言われた、「❸わたしの霊は永久には❹人と争わない.人は実に肉であるからだ.それで、人の❺日数は❻百二十年となる」。

6:4そのころ、またその後も、地上に❼ネピリムがいた。それは、神の子たちが人の娘たちの所に入り、彼女たちが産んだ時のこどもである. 彼らは勇士であって、昔の名のある者たちであった。

6:5さてエホバは、人の悪が地上でひどくなり、すべて❽人の心の思いはかることが、常に悪いことばかりであるのを見られた。

6:6それでエホバは、地上に❾人を造ったことで思いを変えて、心に深く悲しまれた。(回復訳)

 

この後、ノアの箱船で有名な大洪水が起きたのでした。

   

大洪水の話は、創世記のノアの箱船以外にも、インド神話ヒンドゥー教のプラーナのマツヤギリシャ神話のデウカリオーン、およびギルガメシュ叙事詩のウトナピシュティムなど各地に大洪水の話が残っていますが、アッカドの『アトラハシス叙事詩』には気になる内容があります。

アッカド (アトラハシス叙事詩)〜Wikipediaより
バビロニアの『アトラハシス叙事詩』(紀元前1700年までに成立)では、人類の人口過剰が大洪水の原因であるとされている。1200年間の繁栄の後、人口増加によって齎された騒音と喧騒のためにエンリル神の睡眠が妨げられるようになった。エンリル神は当面の解決策として、疫病、飢饉、塩害など人類の数を減らすための全ての手段を講じる神々の集会を援助して回った。これらの解決策が採られてから1200年後、人口は元の状態に戻った。

このため神々が洪水を引き起こすという最終的な解決策をとる事を決定した時、この解決策に道義的な問題を感じていたエンキ神は洪水計画のことをアトラハシスに伝え、彼は神託に基づく寸法通りに生き残るための船を建造した。」

〜ここでは、最初の1200年で人類の人口過剰が起こり、エンリル神は、疫病、飢饉、塩害など人類の数を減らすための全ての手段を講じました。しかし、これらの解決策が採られてから1200年後、人口は元の状態に戻ったので、最終的に大洪水を起こしたと記しています。つまり、疫病、飢饉、塩害などの災害から1200年後に大洪水を起こし、人類が壊滅したという話です。

ここで最初の1200年とは、人が増え騒音と喧騒のために困ったエンリル神が、種々の方策で人類の数を減らそうとします。しかし、次の1200年が経つと、人はまた増えてしまい、うまく削減できず、最終的に大洪水を起こして人類を根絶しようとします。つまりエンリル神が人類を減らそうといろいろと策を試みてから1200年様子を見て、人口が減らないので次に世界的な大洪水を起こしたわけです。

『アトラハシス叙事詩』の1200年と聖書の❻120年とは違うのですが、どうも関連がある数字に思えます。

創世記6:3「人(彼)の❺日数は❻百二十年となる」とは、人類を滅ぼすまで120年と定め、計画されたということかも知れません。

また、6:5「❽人の心の思いはかることが、常に悪いことばかりであるのを見られた」ともあり、人の騒音と喧騒を理由にした『アトラハシス叙事詩』にも似ています。もし人の寿命を120年にしても、人は増え、その思いは子々孫々1200年を経ても悪い思いばかりで、騒音と喧騒を出し続けたことでしょう。

創世記6章は、こう続きます。

6:6主は地の上に❾人(ヘブル語でアダム:単数)を造ったのを悔いて、心を痛め、

6:7「わたしが創造した人(アダム単数)を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、❾これらを造ったことを悔いる」と言われた。

〜(つまり、全人類をぬぐい去ろう=滅ぼそうとしたのです。なにも人の一生を120年と定めなくても、❾人を造ったことを悔い、全ての人類を滅ぼす予定だったわけです)

6:8しかし、ノアは主の前に恵みを得た。

6:9ノアの系図は次のとおりである。ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。

6:10ノアはセム、ハム、ヤペテの三人の子を生んだ。

6:11時に世は神の前に乱れて、暴虐が地に満ちた。

6:12神が地を見られると、それは乱れていた。すべての人が地の上でその道を乱したからである。

6:13そこで神はノアに言われた、「わたしは、すべての人を絶やそうと➓決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地とともに滅ぼそう。

(「➓決心した」という単語はない。回復訳:そこで、神はノアに言われた、「全ての肉の終わりがわたしの前に来た.地は彼らのゆえに暴虐で満ちているからだ.見よ、わたしは彼らの地と共に滅ぼそうとしている。)

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7:6洪水が襲ってきた時、彼は六百歳でした。

7:7大水から逃れるため、彼は急いで妻と息子夫婦を連れて船に乗り込みました。(口語訳)

創世記5:32でノアは五百歳になってから、セム、ハム、ヤペテを生んだとあり、‭‭創世記‬ ‭7:6‬には、洪水が地に起った時、ノアは六百歳であったとあります。この間100年ですが、ノアが五百歳になる以前から、神は❾人を創造したことを悔いていました。

創世記6:5.6には、「主は人の悪が地にはびこり、すべて❽その心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを見られた。 主は地の上に❾人を造ったのを悔いて、心を痛め、」(口語訳)とあります。

ノアが長さ300キュビト(137m)の箱船を造るために、当時どのくらいの期間をかけたかわかりませんが、ノアが啓示を受けてからの約100年は、箱船を建造するには充分な期間だったでしょう。
 ‭「❹人(ヘブル語でアダムאָדָם֙)の❺日数は❻百二十年となる」とは、創世記6:4では「そのころ:同時期に」神の子が不法を行い、生まれたネピリムについての記事があり、創世記6:6で神が❾人を造ったことを悔いた記事が続きます。その時に人類の終わりを120年と決意したのでしょう。また、その終わりの方法を大洪水として計画してからは、ノアに啓示してから、彼が箱船を建造するために、約100年の猶予期間を与えたのでしょう。

人の一生が120年という訳は、「❸わたしの霊(単数)は永久には❹人(単数アダムאָדָם֙)と争わない(裁かないלֹֽא־יָד֨וֹן)」の「人」が単数であるから、そう訳したのかも知れません。霊と人を対比したので、単数にしたのでしょう。洪水後もノアは950歳まで生き、他にも120年を超えて生きるノアの子孫がいました。ですから、人の年齢を120歳に定めたということではないと思います。また、❹ דִּיןは、「裁く」が起源の言葉です。

3節を自分なりに直訳します。

6:3そしてエホバは言った、「❸わたしの霊はもう永い間❹人を裁かないだろう。彼は実際のところ肉なのだから、それでもやはり、彼の❺日数は❻百と二十年になるだろう」(私訳)

つまり、洪水前に❽人の心の思いはかることが、常に悪いことばかりであるのを見られた神は、人の騒音と喧騒を消し、人をいちいち裁くのをやめました。そして、いちいち裁かないが、人類を造ったことを悔い、一回の裁き、すなわち人類の終わりを計画します。その人類の終わりまでの猶予期間が120年であったわけです。その決断の際、正しく、かつ全き人ノアに計画を語り、箱船を建造するために約100年の日数を与えてくださったということなのでしょう。

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この表で洪水後のノアからヤコブまでは120歳を超えて長く生きていました。ノアから13代あとのヨセフから寿命が120歳を超えなくなったようですが、人々が創世記6:6の言葉を口伝しながら誤解し、人の一生が120年と信じてしまい寿命も短くなった可能性があります。

創世記6:6の誤った解釈からの呪縛を払拭すれば、これからの時代は、120歳を超えて生きる人たちが出てくるでしょう。カイラス山の大聖のように400年を超えて生きることが可能になります。栄化を求める者たちは、この呪縛から脱れる必要があります。永遠の生命を信じ、肉体も変化してくるはずです。