神の至聖所 ~聖書とキリストの啓示より~

 神の臨在(至聖所)の中で開かれる聖書の啓示を紹介します。聖書の日本語訳に疑問を持ったのを切掛けに、プロテスタント、カトリック、ユダヤ教などに学び、終末預言や聖書解釈の記事も載せていきます。栄光在主!

再臨の警告 〜パウロの啓示

キリストの再臨については、いろいろな説があり、どれを信じて良いかわからないのが、現状です。

 

しかし、パウロは、第二テサロニケ2章で、「イエス・キリストの来臨と私たちが彼のもとに集まること(携挙)に関して欺かれてはなりません」と書いています。第二テサロニケ2章は、時代のしるしを示しています。


Ⅱテサロニケ2章

2:1さて兄弟たちよ、わたしたちの主イエス・キリストの❶来臨と、わたしたちが彼のみもとに集まることに関して、あなたがたにお願いします.

〜2章1節 フットノート❶来臨
ギリシャ語は「パルーシア」(parousia)で、「臨在」を意味します。Iテサロニケ第2章19節(Iテサロニケ2:19)のノート1とマタイ第24章3節(マタイ24:3)のノート3を参照。ここで二つの事柄が、扱われています。それは、主のパルーシア(臨在)と、わたしたちが彼のみもとに集まること(携え上げ)です。主のパルーシアは、勝利者が天の神の御座に携え上げられることで始まります(啓12:5―6)。そしてこの時代の最後の三年半、すなわち、最後の週(ダニエル9:27)の後半に起こる大患難(マタイ24:21とノート、啓11:2とノート4)の終わりに、主のパルーシアは空中に来て(啓10:1とノート2)、しばらくの間、続きます。それはその出現、すなわち「彼のパルーシアの出現」で終わります(8節.マタイ24:30とノート4)。主のパルーシアが空中にとどまっている間に、信者の大多数は携え上げられて、空中で主に会います(Iテサロニケ4:17)。文脈によれば、2節(2節)の「主の日」は、主のパルーシア(来臨)の日を言います。その時、信者の大多数が携え上げられます。3節(3節)は、その日が来る前に反キリストが現れて、大患難の中で大きな役割を演じることを、断定的に告げています(4節.啓13:1―8,12―15)。これは、主の空中への来臨(パルーシア)と、信者の大多数の携え上げが、大患難の前には起こり得ないことを、はっきりと明確に啓示しています。


2:2あなたがたは霊によってであれ、言によってであれ、わたしたちによるという手紙によってであれ、主の日はすでに来ているということで、早まって思いの中で動揺したり、驚いたりしないでください。
2:3だれからも、どのようにしても、欺かれてはなりません.なぜなら、まず❷背教が起こり、そしてあの❸不法の者、すなわち滅びの子が出現しなければ、それは来ないからです.

〜2章3節 フットノート❸不法の者
反キリスト。ダニエル書第7章20節から21節(ダニエル7:20―21)、24節から26節(ダニエル7:24―26)、第9章27節(ダニエル9:27)、第11章36節から37節(ダニエル11:36―27)、啓示録第13章1節から8節(啓13:1―8)、12節から18節(啓13:12―18)、第19章19節から20節(啓19:19―20)に預言されています。彼は不法の者となり、法律を変え、多くの人を徹底的に破壊し腐敗させ、神を冒とくし、人々を欺きます。ですから、主は彼を徹底的に滅ぼし、彼は滅びの子となります。


2:4この者は、神と呼ばれるもの、あるいは礼拝の対象であるものすべてに敵対し、またそれらを超えて自分を高く上げ、ついには❹神の宮に座して、自分自身を見せ、自分は神であると言います。

〜2章4節 フットノート❹神の宮
これは、マタイによる福音書第24章15節(マタイ24:15)の「聖なる場所」です。これは、主が再来される前に、神の宮が再建されることを示しています。

 

2:5わたしがまだあなたがたと共にいた時、これらの事をあなたがたに言ったことを、思い出さないのですか?
2:6あなたがたが知っているように、彼が自分の時になって出現するようにと、今、彼を阻止しているものがあります。
2:7なぜなら、不法の奥義が今や働いているからです.ただしそれは、今、阻止している者が取り除かれるまでのことです。
2:8その時、この不法の者は出現するでしょう(この者を、主イエスはご自身の口の息によって殺し、彼の来臨の出現によって滅ぼされます)、
2:9この者が来るのはサタンの活動にしたがってであり、あらゆる力としるしと虚偽の不思議を行ない、
2:10またあらゆる不義の欺きを、滅びていく者たちの間で行ないます.なぜなら、彼らは救われるために、真理の愛を受け入れなかったからです。
2:11それゆえ、神は惑わす働きを彼らに送って、彼らが虚偽を信じるようにとされたのです.
2:12それは、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての者が、裁かれるためです。
 

Cさらに励ます――2:13―3:5
2:13しかし、主に愛されている兄弟たちよ、わたしたちは常にあなたがたのことを、神に感謝せずにはおれません.なぜなら、神が2初めからあなたがたを選ばれたのは、その霊の聖別と真理を信じることによって、救いへ至るためであるからです.
2:14彼はまたわたしたちの福音を通して、あなたがたをこのことに召し、わたしたちの主イエス・キリストの栄光を得させてくださるのです。
2:15ですから、兄弟たちよ、堅く立ちなさい.そして言によって、あるいはわたしたちの手紙によって、あなたがたに伝えられ、あなたがたが教えられた事をしっかりと守りなさい。Ⅱテサロニケ2:1-15(回復訳)

 

パウロは、まず❷背教が起こり、❸不法の者が、❹神の宮、つまり第三神殿に座して、自分自身を公に示し、自分は神であると宣言するまでは、イエス・キリストの❶来臨はないと語っています。

❷背教は、ヨーロッパやカナダ、アメリカですでに始まっていると思われます。すでに大艱難時代に入っているのかも知れません。

しかし、❹エルサレム神殿はまだできていません。

https://youtu.be/p-VJxcUqbK0
すると、9月26日から始まるヨベルの年に、来臨があると言うのなら、、、2023年9月までに第三❹神殿建設がなされ、❸不法の者がそこに座すことになるのでしょうか?

ヨベル→第三神殿建設→不法の者の出現→携挙

かなり、早い展開になってしまいます。

しかし、「主の日が来るのは夜中の盗人のようである」とは、思わぬときにその日がやって来るということでしょう。

第一テサロニケ5章

5:1なぜなら、あなたがた自身、主の日が来るのは夜中の盗人のようであることを、はっきりと知っているからです。
5:3人々が「平安だ、安全だ」と言っている時、陣痛が妊婦に臨むように、突然の破滅が彼らに臨みます.そして彼らは、決して逃れることができません。(回復訳)

我々は、夜中に盗人のように来られる方を、ともし火と油を用意して出迎えたいものです。

 

 

https://youtu.be/9Qw3vMfty_s

 

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再臨を前に 〜まだ第三神殿は再建されてない

メシア来臨前の最後のヨベルの年が9月にやってくるのか。

 

https://youtu.be/p-VJxcUqbK0

 

キリストの再臨では、最初に空中携挙がなされるのだろうか。再臨には、いろいろな説がありますが、どれを信じて良いのだろうか。

 

まだ、第三神殿はできていません。しかし、第三神殿完成は、再臨時、必ず必要なことなのでしょうか?

再臨→空中携挙→神殿建設→大艱難 の順番も考えられます。

神殿建設を周到に準備しているユダヤ人たち。来るべき時に、神殿はあっという間に建設されてしまうのでしょう。

 

マタイ伝24章に主イエスの預言があります。

24:3イエスがオリブ山に座っておられた時、弟子たちはひそかに彼の所に来て言った、「わたしたちにお話しください.いつ、これらの事があるのですか? また、あなたが来られることのしるしと、この時代の満了のしるしは何ですか?」
24:4イエスは彼らに答えて言われた、「だれにも惑わされないように、用心しなさい。
24:5多くの者がわたしの名を名乗って来て、『わたしがキリストだ』と言い、そして多くの人を惑わす。

24:6またあなたがたは、戦争と戦争のうわさを聞く。あわてないように用心しなさい.これらは起こらなければならないが、まだ終わりではないからである。
24:7民は民に、国は国に逆らって立つ.また至る所で飢きんや地震がある。

24:8これらすべての事は、陣痛の始まりである。
24:9その時、彼らはあなたがたを患難に引き渡し、またあなたがたを殺す.そしてあなたがたは、わたしの名のゆえに、すべての国民に憎まれる。

24:10またその時、多くの人がつまずき、互いに引き渡し、互いに憎み合う。
24:11そして多くの偽預言者が現れて、多くの人を惑わす。

24:12また不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えてくる。

24:13しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。
24:14そしてこの王国の福音は、すべての民に対する証しのために、人の住む全地に宣べ伝えられる.それから終わりが来る。  
 (1)大患難が起こる――15-26節
24:15預言者ダニエルによって語られた荒らす忌むべき者が、聖なる場所に立つのを見たなら(読者よ、理解しなさい)、
24:16その時、ユダヤにいる者は山へ逃げなさい.
24:17屋上にいる者は、家から物を取り出そうとして下に下りるな.
24:18畑にいる者は、衣を取りに戻るな。
24:19それらの日には、身ごもっている者と乳飲み子を持つ者は災いである。
24:20あなたがたの逃げるのが、冬や安息日にならないように祈りなさい.
24:21その時には、世の初めから今に至るまで起こったことがなく、今後も決して起こらないような大患難があるからである。(回復訳)マタイ伝24:3-21

 

 

 

[「荒らす忌むべき者が、聖なる場所に立つ」とは、紀元70年のエルサレム攻囲戦の神殿破壊を指すと考えられますが、「王国の福音は、すべての民に対する証しのために、人の住む全地に宣べ伝えられる.  それから終わりが来る」、「世の初めから今に至るまで起こったことがなく、今後も決して起こらないような大患難がある」とあり、これから起こるべき大艱難と第二のエルサレム攻囲戦を預言しているとも取れます。ルカ伝21章では、「聖なる場所に立つ」ではなく、「エルサレムが軍隊によって包囲されるのを見たら」となっています。

ルカ伝21章

21:20しかし、あなたがたは、エルサレムが軍隊によって包囲されるのを見たら、その荒廃が近づいたことを知りなさい。
21:21その時、ユダヤにいる者は山へ逃げなさい.都の中にいる者は脱出しなさい.田舎にいる者は都に入ってはいけない.
21:22なぜなら、これらは、書き記されているすべての事が成就される報復の日だからである。                (回復訳)ルカ伝21:20-22

 

ヨベルの年を前に、我々はともし火と油を用意しておきたいものです。

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朝焼けの中のご臨在〜時代のしるし

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2022.8.13撮影

「朝には『朝焼けで雲が低いから、今日は嵐だ』と言う。このように空模様を見分けることは知っているのに、時代のしるしは見ることができないのか。」
‭‭マタイによる福音書‬ ‭16:3‬ ‭新共同訳‬‬
https://bible.com/bible/1819/mat.16.3.新共同訳

きれいな朝焼けで始まったが、台風が近づいています。

そして9月にはヨベルの年がやってきます。

ラビの言うように、キリスト再臨の前の最後のヨベルになるのだろうか。

 

https://adonaiquovadis.hatenablog.com/entry/2022/01/26/032750

 

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黙示録の預言① 〜複合的さばき

一般には黙示録と呼ばれる書簡は、回復訳では啓示録とされています。そこに現在の疫病(新型コロナウィルス)に関する予言が書かれていることは、以下のように、2020年4月に紹介しました。

https://adonaiquovadis.hatenablog.com/entry/2020/04/18/000042

 

黙示録の最後の22章には、以下のようにあります。

22:18わたしは、この巻物の予言の言を聞くすべての者に証しする。もしだれでもそれに付け加えるなら、神はこの巻物に書き記されている災害を、その者に加えられる。
22:19
また、もしだれでもこの予言の巻物の言から何かを取り去るなら、神はこの巻物に書き記されている命の木から、また聖なる都から、その者の分を取り去られる。(回復訳)

 

これは、黙示録(啓示録)の預言を解釈するなと言ってはいません。黙示録の書簡そのものを改竄し、手を加えたり、削除したりするなと言うことです。

また、こうもあります。

22:10そして彼はわたしに言った、「この巻物の予言の言を封じてはならない。時が近いからである。(回復訳)

 

ここで紹介する解釈は、現代の事象に合わせた、私的考えであり、別の解釈もたくさんあります。読者自身の聖書の学びと、聖霊により示される発見が大切です。こんな解釈もあると、参考としてください。この世の事象とどのように結びつくか、昨今の世界情勢が黙示録の理解を容易にしていくことでしょう。

 

 

 

黙示録(啓示録)の7つの封印は、以下のような順番で書かれています。

第一封印 ❶白い馬(弓、冠、勝利を持つ)

第二封印 ❷赤い馬(剣、互いに殺し合う)

第三封印 ❸黒い馬(秤、小麦・大麦の高騰)

第四封印    ❹青白い馬(死=疫病、ハデス)

第五封印   ❺ 殺された人の声(血の報復の訴え)

第六封印 ❻大地震(太陽、月、星の異変)

第七封印 7つのラッパへ続く

第四封印の箇所を見てみましょう。

啓示録6:8(私訳)

「そして私は見た 見よ、❹青白い馬で それに座っている者 彼の名は死  そしてハデスが彼のあとについていた また 地の四分の一に対して❷剣(戦争) ❸飢饉(物資の不足)     地の獣(動物)による❹疫病で殺す権威が 彼らに与えられた 」啓示録6:8 (私訳)

 

2020年の❹疫病(新型コロナウィルス)発生からパンデミックに苦しむ状況は、まさに6章8節の❹第四封印の時期と言えたでしょう。

さらに2年を経て、この啓示録6章の四頭の馬とそれに乗る騎士たちは、具体的にその姿を表わしてきています。

2022年に入り、❷剣(戦争・深い悲しみ)は、ロシアのウクライナ 侵攻で成就し、現在進行中です。また、国家間の流通が遮断され、原油高や小麦の高騰、インフレが進み、経済的に厳しい国では、食料不足(❸飢饉)が起きています。

❷剣(戦争)は、ウクライナ 戦争で現れました。これから、ロシアと中国は、台湾にも争いの手を伸ばしそうです。アメリカのプロテスタント系の100人の預言者は、年始に台湾侵攻も預言していました。

https://adonaiquovadis.hatenablog.com/entry/2022/02/04/120214

 

 

ウクライナ 戦争は、❸飢饉(物資不足、原油、小麦、大麦の高騰)を引き起こしています。地の獣による❹疫病(新型コロナウィルス)は、獣(コウモリ)からのSARS(重症急性呼吸器症候群)ウィルスの仲間であり、地の獣(動物)を発生源とする❹疫病に間違いありません。また、サル痘という疫病も流行りだしました。文字通り獣(コウモリ、猿などの動物)による❹疫病で、それらで殺す権威を彼ら(四騎士)に与えられたのでしょう。

 

しかし、どうも順番がおかしいのです。

以下の7つの封印は、順番が違うのでは、、

第一封印 ❶白い馬(弓、冠、勝利を持つ)

第二封印 ❷赤い馬(剣、互いに殺し合う)

第三封印 ❸黒い馬(秤、小麦・大麦の高騰)

第四封印    ❹青白い馬(死=疫病、ハデス)

第五封印   ❺ 殺された人の声(血の報復の訴え)

第六封印 ❻大地震(太陽、月、星の異変)

第七封印 7つのラッパへ続く

 

封印の順番が逆ではないか?

第六封印から、第一封印に向けて逆の順番に開かれてないだろうか?

2011年の❻東日本大震災からの各地の地震、❻2012年からの太陽、月の異変(頻繁な日食月食)、この時から終末期に入ったのでしょうか。次に❺殺された人の声(血の報復の訴え)が天で起こったのです。20世紀のナチスによるジェノサイドから、現在まで大量殺人が繰り返されているのです。最近では、ISIS(ISL)による民間人の殺害、中国大陸でのウィグル族へのジェノサイドが報告されています。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.bbc.com/japanese/57437638.amp%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D

次に、その中国で地の獣(動物)による新型コロナウィルスの発生が起きました。❹青白い馬(死=疫病、ハデス)が解き放たれたのでしょう。そしてみなさんがよく知っている世界的パンデミックとなり、医療物資の不足や❸黒い馬(秤、小麦・大麦の高騰)が始まりました。小麦の高騰は、ウクライナ戦争で起きたのではなく、2020年から上がり出し、ウクライナ 戦争でピークに達しました。今後も高騰するかも知れません。

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そのウクライナ 戦争で❷赤い馬(剣、互いに殺し合う)が放たれました。ロシアは、旧社会主義国でした。プーチンは、社会主義の先鋒のKGB職員でした。本日、8月4日、別の赤い国が台湾を包囲して軍事演習を始めました。隣の赤い国が台湾を狙っているのです。

そして、これから、❶白い馬(弓、冠、勝利を持つ)がこの戦争で勝つのでしょう。❶白い馬(西側諸国)の騎士は、弓を持っていますが、矢がありません。矢を放って勝利するのでしょうか。

 

封印の順番を変えることで、2011年からの流れがスッキリしたように感じます。

巻き物は、一つでも封印が残っていたら、開きません。第一〜第七封印まで順に開かれると解釈するよりも、一度にいっきに開かれると巻き物の中身が読めるのです。

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巻き物の七つの封印を、あなたならどう開きますか?第一から第六封印まで開くと少しは中身が読めるでしょう。第七封印は、次の七つのラッパのさばきへと続くのです。

巻き物は全部の封印が切られなければ、中身ははっきり見れないのです。第一から第六の封印は、第七封印が開かれてはっきりしてきます。つまりラッパのさばきも始まっているのでしょう。

黙示録の封印のさばきは、同時進行に近い形で起こり、いくつもの災いが、複合的に起こるのです。そして、現在、❶〜❹の四頭の馬の災いは、残ったまま暴れ続けています。もしかすると、❻大地震(太陽、月、星の異変)、❺ 殺された人の声も同時進行で続いているのです。

 

以下、直訳に近い回復訳で、黙示録(啓示録)6章を第六封印から第一封印へ読んてみてください。

 

啓示録6章

1小羊が七つの封印の一つを開いた時、わたしが見ていると、四つの生き物の一つが雷のような声で、「来たれ」と言うのを聞いた。
2そして見ていると、見よ、❶白い馬があり、それに乗っている者は弓を持っていた。そして冠が彼に与えられ、彼は勝利の上にさらに勝利を得ようと出て行った。

3小羊が第二の封印を開いた時、第二の生き物が「来たれ」と言うのを、わたしは聞いた。
4見ていると、見よ、別の❷赤い馬が出て来た。それに乗っている者には、地から平和を奪い取り、人々が互いに殺し合うための権威が与えられた。また彼に大きな剣が与えられた。

5小羊が第三の封印を開いた時、第三の生き物が「来たれ」と言うのを、わたしは聞いた。見ていると、見よ、❸黒い馬であった。それに乗っている者は、手に秤を持っていた。
6またわたしは、四つの生き物の間で声のようなものが、こう言うのを聞いた。「一デナリで小麦一コイニクス、一デナリで大麦三コイニクス。油とぶどう酒を損なうな」。

7小羊が第四の封印を開いた時、第四の生き物の声が「来たれ」と言うのを、わたしは聞いた。
8見ていると、見よ、❹青白い馬であった。それに乗っている者の名は「死」である。そしてハデスが彼に従った。また、地の四分の一に対して剣、飢きん、死をもって、また地の獣によって殺す権威が、彼らに与えられた。

9小羊が❺第五の封印を開いた時、神の言のゆえに、また自分たちが持っていた証しのゆえに、殺された人たちの魂が 祭壇の下にいるのを、わたしは見た。
10彼らは大声で叫んで言った、「聖なる真実なるご主人さま、いつまであなたは地に住む者たちを裁かず、わたしたちの血の報復をなさらないのですか?」
11すると、彼らの一人一人に白い衣が与えられた。そして、彼らと同じように殺されようとしている彼らの奴隷仲間たちや兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらく安息しているようにと、彼らに言い渡された。

12小羊が❻第六の封印を開いた時、わたしが見ていると、大地震が起きて、太陽は毛織りの荒布のように黒くなり、月全体は血のようになった。
13また天の星は地に落ちた。それは、いちじくの木が大風に揺られて、熟していない実を落とすようであった。
14天は巻物が巻かれるように取り去られ、あらゆる山と島はその所から移された。
15すると、地の王たち、高官たち、隊長たち、富める者たち、強い者たち、すべての奴隷と自由人は、ほら穴や山の岩の中に身を隠した。
16そして、彼らは山と岩に向かって言う、「わたしたちの上に倒れよ。そして御座に座す方の御顔から、また小羊の激怒から、わたしたちを隠してくれ。
17彼の激怒の大いなる日が来たのだ。だれが立つことができようか?」 (回復訳)

 

新約聖書は、二千年ほど前に書かれた 恐ろしく的確な予言書なのです。特に、啓示録(黙示録)は、終末期の予言書として有名です。

終末期に開かれる7つの封印は、小羊なるキリストが開くもので、先走って開くことはできません。しかし、啓示録(黙示録)を読み進めるなら、これから起こる事象が理解できることでしょう。

 

 

【懸念事項】

終末期の事象を知るためにも聖書を学ぶ必要がありますが、最近、「全能神」という中国発の女キリストを教祖とする異端が、黙示録の四騎士などの学習会と称して勧誘を行なっています。過去中国山東省で勧誘にからむ殺人事件も起こした団体で、しつこいですので行かないようにご注意ください。全能神については、以下に詳しくまとめてあります。

https://adonaiquovadis.hatenablog.com/entry/2017/05/30/013124

 

終末期について学びたいなら、動画など、以下色々なものがありますので、視聴してみてください。動画の先生の教会へ行っても良いでしょう。

 

https://youtu.be/pyTRbAIr_3Q

 

https://youtu.be/8pOUzy8mOYo

 

ここで紹介した解釈は、私的考えであり参考にしてください。別の解釈もたくさんありますので、くどいようですが、読者自身の聖書の学びと、聖霊により示される発見が大切になります。

これから起こるこの世の事象が、黙示録預言とどのように結びつくか。今後世界情勢が黙示録の理解を容易にしていくことでしょう。

 

 

 

キリスト処刑の日は、西暦30年4月7日

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国立天文台が、皆既日食月食からキリストの十字架刑の日を特定したという面白い記事を見つけましたので、ここでシェアさせてください。

ソース:

http://www2.nao.ac.jp/~mitsurusoma/history6/24Soma.pdf

 

キリスト処刑の日の特定
Determining the Crucifixion Date of Jesus Christ
相馬 充,谷川清隆 (国立天文台) 佐藤洋一郎,谷川惠一,落合博志 (人間文化研究機構)
Mitsuru SÔMA, Kiyotaka TANIKAWA (National Astronomical Observatory of Japan)
Yo-Ichiro SATO, Keiichi TANIKAWA, Hiroshi OCHIAI, Kazuaki YAMAMOTO (National Institutes for the Humanities)
要約:新約聖書にはキリスト処刑の直前に皆既日食月食があったことを暗示する記述が ある.これらを根拠として,キリスト処刑の日が西暦30年4月7日になることを示す.
1. はじめに
キリスト処刑は,聖書の記述から,ピラト(Pontius Pilate)がユダヤ総督であった西暦
26~36年で,ニサン月(ユダヤ教暦の第1月,現在の暦の3~4月に当たる)14日または15日 の金曜日とされ,これを満たすのは西暦30年4月7日か西暦33年4月3日のいずれかとされて いる(Finegan, 1964; Humphreys & Waddington, 1992).聖書には,さらに,キリスト処 刑の直前に日食や月食があったことを暗示する記述もある.Humphreys & Waddington (1992)はエルサレムでキリスト処刑の日に月食があったとの仮定のもとに,キリスト処刑 の日は西暦33年4月3日であると結論づけた.本論文では,彼らの推論に欠陥があることを 述べ,実際の処刑の日は西暦30年4月7日であることを示す.また,聖書で暗示されている 皆既日食月食の日付はそれぞれ,西暦29年11月24日と同年12月9日であることが明らか になる.
2. Humphreys & Waddington(1992)の推論 新約聖書福音書は4つある.マタイ(Matthew)・マルコ(Mark)・ルカ(Luke)・ヨハネ
(John)による福音書である.このうちの3つに,キリストが処刑される直前に皆既日食が あったことを暗示する記述がある.たとえばルカによる福音書(Gospel According to Luke)の第23章第44-46節には
44時はもう昼の12時ころであったが,太陽は光を失い,全地は暗くなって3時に及んだ. 45そして聖所の幕がまん中から裂けた.46そのとき,イエスは声高く叫んで言われた, 「父よ,わたしの霊をみ手にゆだねます」.こう言ってついに息を引きとられた.
とある.マルコとマタイによる福音書の記述もほぼ同様である.もう1つのヨハネによる 福音書には日月食の記述はないが,新約聖書の最後の書であるヨハネの黙示録 (Revelation to John)の第6章第12-13節には
12子羊が第6の封印を解いた時,わたしが見ていると,大地震が起って,太陽は毛織の 荒布のように黒くなり,月は全面,血のようになり,13天の星は,いちじくのまだ青 い実が大風に揺られて振り落とされるように,地に落ちた.
とあり,「太陽は毛織の荒布のように黒くなり」は日食を,「月は全面,血のようになり」 は月食を表している可能性がある (皆既月食または皆既月食に近い部分月食で本影中の 月は赤黒く輝く).ただし,これらの記述の前後にキリストの処刑の記述はない.新約聖 書の4つの福音書に続く5つ目の文書である使徒言行録(Acts of the Apostles)の第2章第

14節以下には
14すると,ペトロは十一人と共に立って,声を張り上げ,話し始めた.「ユダヤの方々, またエルサレムに住むすべての人たち,知っていただきたいことがあります.わたし の言葉に耳を傾けてください.15今は朝の九時ですから,この人たちは,あなたがた が考えているように,酒に酔っているのではありません.16そうではなく,これこそ 預言者ヨエルを通して言われていたことなのです.17『神は言われる.終わりの時に, わたしの霊をすべての人に注ぐ.すると,あなたたちの息子と娘は預言し,若者は幻 を見,老人は夢を見る.18わたしの僕やはしためにも,そのときには,わたしの霊を 注ぐ.すると,彼らは預言する.19上では,天に不思議な業を,下では,地に徴を示 そう.血と火と立ちこめる煙が,それだ.20主の偉大な輝かしい日が来る前に,太陽 は暗くなり,月は血のように赤くなる.21主の名を呼び求める者は皆,救われる.』(中 略) 36だから,イスラエルの全家は,はっきり知らなくてはなりません.あなたがた が十字架につけて殺したイエスを,神は主とし,またメシアとなさったのです.」
とある.Humphreys & Waddington (1992)はこの第20節の「月は血のように赤くなる」を 月食とし,第17節の「終わりの時」はキリストの降臨を,第20節の「主の偉大な輝かしい 日」はキリストの復活を表すなどと解釈して,キリスト処刑の日の夕刻に月食があったと した.西暦26~36年の3~4月にエルサレムで夕刻に月食が見られるのは西暦33年4月3日の みであることから,彼らはキリスト処刑の日をこの日と結論した.
Humphreys & Waddington (1992)の推論を調べてみる.まず,その論文の Table 3 には 西暦26年から36年までの間にエルサレムで見えた月食の日付・曜日・食分・月食開始時刻 が書かれている.食分(Magnitude)の説明には「Fraction of the area of the Moon covered at the midpoint of the eclipse」(食の最大時に影に覆われた部分の面積の割合)という 説明があるが,これは間違いである.計算で確認したところ,これは通常の食分の意味で, 月の視直径(月中心と影中心を結ぶ線に沿ったもの)中の欠けた部分の割合である.また 「15 Aug, AD 26」の日付は誤りで,正しくは「16 Aug, AD 26」である.曜日は 16 Aug, AD 26 の曜日である「Friday」となっているから,日付のみの誤植である.
月食の予報を計算するには月の暦とΔT(=TT-UT)の値が必要である.ここで TT は一 様に進む地球時,UT は地球の自転角に基づく世界時である.Humphreys & Waddington (1992)が引用しているStephenson and Morrison (1984)では月の暦としてBrownの理論に 基づくj=2 (IAU 1968)に月平均黄経の潮汐加速を-26”/cy2とする補正を行ったものを用 い,ΔT の計算式も同論文に与えてあるので,それらを用いて月食の時刻を計算してみた. その結果を表1に示す.Humphreys & Waddington (1992)は計算に用いたエルサレムの経緯 度を与えていないが,ここではエスサレム中心部と考えられる東経35°13′,北緯31°47′を 用いる.時刻は地方視太陽時 (観測地における太陽の正中時を12時とする,日時計の示す 時刻) である.より新しい月の暦であるアメリJPL の DE406 を用いて計算した場合 (ΔT の値には同じ値を使用)と今回の計算値を比較すると,時刻の差は5分以内,食分の 差は0.03以内である.
表1から分かるように,Humphreys & Waddington (1992) の与える月食開始時刻の誤差 は最大10分,食分の誤差は最大食分が地平線下で見えない場合を除いて0.03以下で,計算 誤差はほとんど無視できることが分かる.しかし次に議論するように,彼らがキリスト処 刑の日とした西暦33年4月3日の月食の見え方に関する彼らの解釈には大きな問題がある.
3. Humphreys & Waddington(1992)の推論の問題点 前節で述べたように,西暦33年4月3日にエルサレム月食が見られた.Humphreys &
Waddington (1992) はその月食のためエルサレムでは月が赤く見え,その直後にキリスト を処刑したとすると聖書の記述と合うため,この日をキリスト処刑の日と断じた.しかし, この月食エルサレムでは月出帯食で,月出の18:17には食の中心を過ぎており,食分0.26 で,その時は空も明るく,月の欠けた部分も赤くは見えない.月食の終わりは18:55で高 度7°だから,空はまだ明るく,食の終わりまで月が赤く見えることはない.Humphreys &

Waddington (1992) は西暦1982年7月5日の月食の図 (Dennis di Cicco, 1982) を参照し て,食分の小さい部分月食でも欠けた部分は赤く見えることがあると主張しているが,そ の図でも食分が0.2前後の部分月食では欠けた部分が赤くは見えていない.
これに関して Humphreys & Waddington (1992) は “The ancients made no distinction between the umbral and penumbral shadows and to a casual observer about 60 percent of the moon’s disc would have been perceived as being ‘in eclipse’ at moonrise.” (古 代人は本影と半影を区別しなかったので,その月食は月没時に月の約60%が欠けていたと 認識したはずだ) と述べているが,これも全くの誤解である.月食を観測したことがある 人なら容易に分かるはずだが,月食の際の月に落ちる半影はほとんど認識できないもので ある.
表1. 西暦26~36年にエルサレムで見られる月食
(「食分」は食の最大時のもの,括弧をつけた時刻と食分は地平線下の現象で観測不 可であることを表す.「<開始>」と「<食分>」は Humphreys & Waddington (1992) が 与える月食開始時刻と最大食分)
年/月/日(曜) 26/08/16(金) 27/12/31(水) 29/06/14(火) 29/12/09(金) 31/04/25(水) 31/10/19(金)
33/04/03(金)
33/09/27(日)
35/02/11(金)
ΔT(s) 開始 9618 23:20 9601 23:31 9583 20:33 9577 21:07 9560 21:41 9554 04:59
9536 (15:54) (17:18) 18:41 (0.553) ----- 60% 月出18:17,その時の食分0.26で,これが観測可能な最大食分
9530 04:58 (06:25) (07:53) (0.826) 04:53 85% 月没05:57,その時の食分0.70で,これが観測可能な最大食分
35/08/07(日) 36/01/31(火)
9521 05:02 06:21 (07:39) 0.554 最大食の後に月没06:38,その時の食分0.52
9506 20:26 21:51 23:15 0.604
04:55 55%
20:18 60%
最大 24:36 24:54 22:21 22:21 22:45 05:58
終了 食分 25:52 0.479 26:16 0.713 24:09 1.446 23:34 0.423 23:49 0.370
<開始> <食分> 23:10 50% 23:27 70% 20:27 Total 20:55 45% 21:35 35% 04:49 25%
(06:57) 0.268 最大食の後に月没06:22,その時の食分0.22
9500 (16:42) 18:29 20:16 1.822 月出17:13,その時の食分0.49,その後に皆既食が起こる
----- Total 36/07/26(木) 9494 22:23 24:21 26:19 1.697 22:14 Total
4. キリスト処刑の日 ヨハネ福音書には日食・月食地震が出てこない.一方,ヨハネの黙示録には地震
日食・月食の順で自然現象が(同じ日に起きたかのように)記述されているが,これらの記 述の前後にキリストの処刑は記述されていない.そして,マルコとルカの福音書では処刑 の時に日食が起きたという.
これらを総合して考えると,実際には日食・月食の(何日あるいは何カ月か)後に処刑が 行われたのだが,そのことが後の世に伝わる間に上記のように,混乱が生じて記述された とするのが妥当だろう.そこでエルサレムで見える日食・月食(日食はエルサレムで皆既 になり,月食は赤く見える)とニサン月14日の金曜日が数カ月以内に起こるものを探すと, 唯一,次のものが見つかる.
西暦29年11月24日:皆既日食(開始10:25,最大11:51,終了13:21)
西暦29年12月 9日:部分月食(開始21:18,最大22:34,終了23:49で最大食分0.45) 西暦30年 4月 7日:ニサン月14日の金曜日
日食と月食の時刻は,西暦29年11月24日にエルサレム皆既日食が見られるΔT の条件 8569s < ΔT < 8949s
の範囲の中間値 ΔT = 8760s として求めた地方視太陽時である.この場合,皆既日食

継続時間は食の最大を中心とする2分弱である.ΔT の値を上の不等式で示される範囲で 変化させても日食と月食の時刻は±5分以内で前後するだけである.第2節で述べたように, ルカ・マルコ・マタイの3者による福音書には「時はもう昼の12時ころであったが,太陽 は光を失い,全地は暗くなって3時に及んだ.」ということを意味する記述があった.昼の 12時ころに皆既日食があったというのは,上記の計算に一致し,「3時に及んだ」というの も日食の継続時間が3時間に及んだという事実がそう伝わったとすれば,上記の計算に一 致する.また,西暦29年12月9日の部分月食も22:34に最大食分0.42であるから,月の欠け た部分は赤く見えたはずで,使徒言行録にあった月が赤くなったという記述に合っている. ヨハネの黙示録にあった「月は全面,血のようになり」とは合わないが,月の一部が赤く なったものが伝聞によりこのように誇張されて伝わったものと思われる.
Fotheringham (1920) によると,神学者で歴史家でもあった4世紀の Eusebius は Tralles に住んでいた2世紀の作家 Phlegon が残した日食の記録について次のように記 述している(英訳は Fotheringham, 1920).
And Phlegon also who compiled the Olympiads writes about the same things in the thirteenth book in the following words: ‘In the fourth year of the 202nd Olympiad (32-33 A.D.) an eclipse of the Sun took place greater than any previously known, and night came on at the sixth hour of the day, so that stars actually appeared in the sky; and a great earthquake took place in Bithynia and overthrew the greater part of Nicæa.’
Fotheringham (1920) はこの日食を西暦29年11月24日のものと同定した.彼によると,こ の同定は Kepler が最初に行ったとのことである.これは “In the fourth year of the 202nd Olympiad” という記録の3年前であるが,Stephenson (1997) も確認しているよう に,記録にある日食と同定できるものは西暦29年のこの日食以外にない.この日食が観測 された場所については Fotheringham が地震が起きたとされる Nicaea (東経29°36′, 北緯40°25′) と仮定したが確実性は低いとしていた.これを記録した Phlegon は Tralles (東経27°51′,北緯37°51′) に住んでいたが,日食が起きた100年以上後に書 かれたもので,その日食が Tralles で起こったものという保証はない.この Phlegon の 日食の記録は「正午ころに夜のようになった」,「大地震が起こった」との記述もあり, これらは聖書の記述に一致している.つまり,Phlegon は聖書に書いてある情報をどこか から得て上記の記録を記述した可能性が高いと考えられる.したがって,西暦29年11月24 日の皆既日食エルサレムで見られたと考えるのが妥当であろう.
Report of Pontius Pilate という新約聖書外典 (アポクリファ) には
彼が十字架に架けられた時,昼にもかかわらず地球全体に暗さが広がり,太陽は完全 に隠れ,空も暗くなって星が現れた.(中略) そして月は血のようになり,満月であ ったが一晩中は輝かなかった.そして星たちもオリオンも,ユダヤ人たちによってな された邪悪のために彼らについて嘆き悲しんだ.
外典に書かれた内容は福音書ほどは信用されていないが,それでも一部に真実が残されて いる可能性はあろう.ここに引用したものは,キリストが十字架に架けられた前後に起こ った月食では近くにオリオン座が見えていたことを表していると考えられる.図1は西暦 29年12月9日の月食時にエルサレムで見る星空で,この時は月食中の月の近くに確かにオ リオン座があった.一方,Humphreys & Waddington (1992) が提案していた西暦33年4月3 日の月食では,月食中の月が東の空にあったのに対して,オリオン座は反対の西の空にあ り,オリオン座を月食と関連づけるのは不自然な状況と言えよう.
5. 結論 皆既日食月食の後のニサン月14日の金曜日にキリストが処刑されたという新約聖書
の記述から,キリスト処刑の日は西暦30年4月7日であることが明らかになった.

参考文献
Dennis di Cicco, 1982, “Observer’s Page, More About July’s Lunar Eclipse”, Sky and Telescope, 64, 390-393.
Finegan, J., 1964. Handbook of Biblical Chronology, Princeton University Press, Princeton, pp.295-296.
Fotheringham, J.K., 1920. “A Solution of Ancient Eclipses of the Sun”, Mon. Not. R. Astr. Soc., 81, 104-126.
Humphreys, C.J. and Waddington, W.G., 1992. “The Jewish Calendar, a Lunar Eclipse and the Date of Christ’s Crucifixion”, Tyndale Bulletin, 43.2, 331-351.
IAU, 1968. Trans. Int. astr. Un. 13B, 48.
Stephenson, F.R. and Morri- son, L.V., 1984. “Long-term Changes in the Rotation of the Earth: 700 B.C. to A.D. 1980”, Phil. Trans. R. Soc. Lond., A313, 47-70.
Stephenson, F.R., 1997. His- torical Eclipses and Earth’s Rotation, Cam- bridge University Press, Cambridge.
図1. 西暦29年12月9日の月 食時にエルサレムで見る星 空
図2. 西暦33年4月3日の月食 時にエルサレムで見る星空