◾️ペテロのイスラエルへの叱責
使徒行伝2章を読むと、当時のエルサレムの情勢が伝わってくる。
ペンテコステの日に、ペテロはエルサレムのユダヤ人に対し、厳しく回心を迫った。
その言葉は、かなり厳しい内容であったことが、使徒行伝から読み取れる。
「イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。ナザレの人❶イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。あなたがた自身が既に知っているとおりです。 このイエスを神は、お定めになった計画により、あらかじめご存じのうえで、あなたがたに引き渡されたのですが、あなたがたは❷律法を知らない者たちの手を借りて、❸十字架につけて殺してしまったのです。 しかし、神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。イエスが死に支配されたままでおられるなどということは、ありえなかったからです。 ダビデは、イエスについてこう言っています。 『わたしは、いつも目の前に主を見ていた。 主がわたしの右におられるので、 わたしは決して動揺しない。 だから、わたしの心は楽しみ、 舌は喜びたたえる。 体も希望のうちに生きるであろう。 あなたは、わたしの魂を陰府に捨てておかず、 あなたの聖なる者を 朽ち果てるままにしておかれない。 あなたは、命に至る道をわたしに示し、 御前にいるわたしを喜びで満たしてくださる。』 兄弟たち、先祖ダビデについては、彼は死んで葬られ、その墓は今でもわたしたちのところにあると、はっきり言えます。 ダビデは預言者だったので、彼から生まれる子孫の一人をその王座に着かせると、神がはっきり誓ってくださったことを知っていました。 そして、キリストの復活について前もって知り、 『彼は陰府に捨てておかれず、 その体は朽ち果てることがない』 と語りました。❹神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。 それで、イエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。あなたがたは、今このことを見聞きしているのです。 ダビデは天に昇りませんでしたが、彼自身こう言っています。 『主は、わたしの主にお告げになった。 「❺わたしの右の座に着け。 ❻わたしがあなたの敵を あなたの足台とするときまで。」』 だから、❼イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」」
使徒言行録 2:22-36 新共同訳
https://bible.com/bible/1819/act.2.22-36.新共同訳
これを読んで、ペテロがユダヤ人たちに対し、「メシアであるキリストを殺したのはお前たちだ」と叱責しているのがわかる。
❶イエスこそ、神から遣わされた方
❷律法を知らない者たちとは、「ローマ軍」。ローマの手を借りて殺してしまったと言う意味。
❶神から遣わされた方をおまえたちは❸十字架につけて殺してしまった。
しかし、❹神はこのイエスを復活させられた。わたしたちは皆、そのことの証人だ。(500人に現れたと後に語っている)
神はイエスに❺わたしの右の座に着け。 ❻わたしがあなたの敵(イスラエルの全家)を あなたの足台とするときまでと言っている。
❼は、私訳します。
話し言葉の間を空けて、演説として考えると、私訳のような順番で話されているからです。
原文
ἀσφαλῶς οὖν γινωσκέτω πᾶς οἶκος Ἰσραὴλ ὅτι καὶ Κύριον καὶ Χριστὸν αὐτὸν ὁ Θεὸς ἐποίησε, τοῦτον τὸν Ἰησοῦν ὃν ὑμεῖς ἐσταυρώσατε.
ΠΡΑΞΕΙΣ 2:36 Greek NT: Greek Orthodox Church版
私訳
2:36「確かに、こういうわけで、イスラエルの全家は、知れ!神が主また救い主とされた このイエスを、あなた方は十字架につけたのだ!」(私訳)
これはペテロによるイスラエルへの叱責である。かなり厳しい演説だった。これこそがユダヤ人に伝えるべき言葉だと、ペテロは示している。
◾️イスラエルに媚びては、伝道できない
どっかの団体のように、悪事を働くイスラエルに媚びながら伝道などできない。
「イスラエルの全家は、知れ!神が主また救い主とされた このイエスを、あなた方は十字架につけたのだ!」
これが、ペテロが示したユダヤ人に対する福音宣教のスタンスだ。ペテロは、一度に3000人が回心する激しいスピーチを宣べたことを読み取ってほしい。
◾️邪悪なこの時代から救われよ
「ペトロは、このほかにもいろいろ話をして、力強く証しをし、「❽邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めていた。 ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。」
使徒言行録 2:40-41 新共同訳
https://bible.com/bible/1819/act.2.40-41.新共同訳
❽邪悪なこの時代から救われよ!と叫ぶペテロの言葉は、現在の日本にも語られるべき言葉だと思う。
ローマ軍に占領されていたエルサレムで、人々はこれから起こるディアスポラを予見していた。

今の時代、我々はこれから起こる混乱を、予見できる。邪悪なこの時代で、甘いオブラートに包んだ当たり障りのない言葉では、人々は回心しないと思っている。邪悪な曲がった時代だ。事実をしっかりと伝えるべき終末期になったのだ。
我々は、現実から目をそらさず、蛇のようにさとく鳩のように直く、生きるべきだ。
「イスラエルの全家は、知れ!神が主また救い主とされた このイエスを、あなた方は十字架につけたのだ!」
回心していないユダヤ人たちは、これを理解もしていない。十字架時代と同じことをやるユダヤ教徒だ。使徒行伝で使徒たちを殺そうとした連中と変わらないのだ。間違えてはならないし、媚びてもならない。厳しく、メタノイヤさせるべきだ。
「「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。」
マタイによる福音書 10:16 新共同訳
https://bible.com/bible/1819/mat.10.16.新共同訳