継続してトマスの福音書を解説し、意訳しています。
48節
*Said-JS48 this: ()-blessed-ones are the ❶single-ones and ()chosen, > for you(pl)-will-fall to-the-kingdom, for you(pl) (are) of-out of-her; again you(pl)-will-be-going to-there.
48直訳
JS48 「イエスはこう言った:()祝福された者(複数)は❶❸出家者、()選ばれた者である、というのは、あなた方は王国に❹入るだろう、というのは、あなた方は、()❺その外にいる;再び、あなた方はそこへ行くだろう。」
ここで、コプト語の❶Monaxocは、「❷ひとり」と訳すべきか、「❸出家者(世捨人)」と訳すべきか迷いました。❶Monaxocのギリシア語でのμοναχόςは、❸出家者や修道士を意味します。
もし「❸出家者や修道士が祝福された者」と訳すならば、わかりやすいのですが、新約聖書には、μοναχόςを「❷aloneひとり」と訳すことはありますが、「❸出家者・修道士」と訳す箇所が見つかりません。
そこで、二つの訳を試みました。
48❷ひとり
「イエスはこう言った:()祝福された者は❷ひとりぼっち、()選ばれた者である、というのは、あなた方は王国に❹入るだろう、というのは、あなた方は、()❺その外にいる;再び、あなた方はそこへ入るだろう。」
48❸出家者(世捨人)
「イエスはこう言った:()祝福された者は❸出家者(世捨人)、()選ばれた者である、というのは、あなた方は王国に❹入るだろう、というのは、あなた方は、()❺その外にいる;再び、あなた方はそこへ入るだろう。」
この節の後半と似た内容の箇所が、ヨハネ伝にあります。
「わたしは門である.だれでもわたしを通って❹入る者は救われ、また❺入ったり出たりして、牧場を見いだす。」ヨハネ伝10:9(回復訳)
ἐγώ εἰμι ἡ θύρα· δι’ ἐμοῦ ἐάν τις εἰσέλθῃ, σωθήσεται, καὶ ❹εἰσελεύσεται καὶ ❺ἐξελεύσεται καὶ νομὴν εὑρήσει.
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ 10:9 Greek NT: Nestle 1904
トマスの福音書48節では、「王国に❹入るだろう、というのは、あなた方は、()❺その外にいる;再び、あなた方はそこへ入るだろう。」とあり、王国の(中におり)、❺その外にいる;再び、あなた方はそこへ入るだろう。ヨハネ伝の「❺入ったり出たりする」と近い意味のようです。
また、「❷ひとりぼっち」や「❸出家者(世捨人)」は、マタイ伝の「狭い門」につながります。
「あなたがたは❻狭い門から入りなさい.崩壊に至る門は広く、その道は幅広い.そして、そこから入って行く者が多い。
命に至る❻門は狭く、その道は細いので、それを❼見いだす者は少ない。」マタイ伝7:13-14(回復訳)
ここでは、「❻門は狭く、それを❼見いだす者は少ない」とあり、崩壊に至る大勢の人々とは違う少数の者が、❻狭い門を見出せるのだと言うことです。
そうすると、狭い門から入る者は、周囲の大勢の人々とは異なり、❷ひとりぼっちや❸出家者(世捨人)のようになるわけです。48節は、そのような周囲(世)に理解されない者を、祝福された者と言っているようです。それは、❷ひとりぼっちの孤独な❸出家者(世捨人)に、あなた方は王国に❹入るだろうと言うのでしょう。
私は、❷ひとりぼっちの孤独な❸出家者(世捨人)と聞いて、サドゥーとなったサンダー・シングを思い起こしています。
❻狭い門の狭さとは、❷孤独な❸出家者(世捨人)になるほどの少数しか入れないものなのでしょうか。それを❼見いだす者は少ないのでしょうか。トマスの福音書17節にもMonaxocが出てきます。そこには、家族の分裂が語られていました。キリストを見出して、家族に殺されかけたサンダー・シングを再度思い浮かべてしまいます。主イエスに従うことが、サンダーのように❷孤独であり、❸出家者のようになるのを示唆しており、その生き方が王国へ続くと言っているのでしょう。サンダー・シングは、霊眼が開かれた者は、祈りの中で地上天、第二天、第三天へと自由に出入りできると示しています。
http://adonaiquovadis.hatenablog.com/entry/2016/12/03/223554
意訳してみます。
48意訳
JS48「イエスはこう言った:()祝福された者は❷ひとりぼっちの❸出家者(世捨人)、(彼らは)選ばれた者である、というのは、あなた方は王国に❹入るだろうから。それは、あなた方は、(王国の中にいたが)、❺その外にいる;再び、あなた方はそこへ入るだろう。(❺王国に出たり入ったりするだろうから)」