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20代の頃、ガリラヤ湖畔の山上の垂訓教会(Church of the Beatitudes)の回廊で横になって昼寝をしていました。湖からの心地よい風に、しばらく寝入ってしまったのです。犬に吠えられた夢を見て驚いて目を覚ました時、穏やかだったガリラヤ湖が一変していました。強い南風に白い三角波を立てた湖が見えました。
当時流行し始めたウィンドサーフィンがティベリアから流されてきて、難儀しているのも見えました。
私もウィンドサーフィンをやっていましたが、強風に煽られると沖に流されて帰れなくなってしまいます。そのときのサーファーの様子と聖書の嵐の中の弟子たちが重なって見えました。
マタイ伝14章
14:24さて、舟はすでに海の真ん中にあって、逆風のために、波に悩まされていた。
14:25第四の夜回りのころ、彼は海の上を歩いて、彼らの所に来られた。
14:26すると弟子たちは、彼が海の上を歩いておられるのを見て、おびえながら、「幽霊だ!」と言った。彼らは恐ろしさのあまり、叫び声を上げた。
14:27しかし、イエスは直ちに彼らに話しかけて言われた、「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない」。
14:28すると、ペテロは彼に答えて言った、「主よ、あなたでしたら、水の上を歩いてあなたの所に行くよう、わたしに命じてください」。
14:29彼は「❶来なさい」と言われた。そこでペテロは舟から降りて、水の上をイエスのほうへ歩いて行った。
14:30ところが、❷強い風を見て、彼はおびえた.そして沈みかけたので、彼は叫んで、「主よ、助けてください!」と言った。
14:31イエスはすぐに手を伸ばして、彼をつかんで言われた、「信仰の小さい者よ、なぜ❸疑ったのか?」回復訳
この時、主は、慌てる弟子たちのもとへ助けに赴かなくてはならなかったのでしょう。
湖上を歩いて来られた主に「水の上を歩いてあなたの所に行くよう、わたしに命じてください」と言ったペテロ。「❶来なさい」と言われた主。その時ペテロは、嬉しくなって主を見ながら、夜中の暗い湖面に足を下ろし歩き出します。
ところが、❷強い風を見て、彼はおびえ、沈みかけたのです。
イエスはすぐに手を伸ばして、彼をつかんだとありますので、すぐ近くにいたのでしょう。
そして言われました、「信仰の小さい者よ、なぜ❸疑ったのか?」と。
ペテロは、主を見ているときに、湖上を歩きましたが、一旦、主から目を離し、❷強風や波を見、気を取られると怖くなり、沈み出してしまったのです。
ガリラヤ湖の強風は、かなり強いもので、いちど吹き出すと、三角波が立ち、船自体もみ動きできなくなってしまいます。
主は、「信仰の小さい者よ、なぜ❸疑ったのか」と語られました。以前に「信仰」とは、主に近づくことでもあると語りましたが、「❸疑った(ἐδίστασας)」とは、「疑い、迷い、ためらう」ことです。
ペテロは、キリストから目を離し、風と波を見てἐδίστασας:❸疑い、迷い、ためらったのです。
この言葉の真意は、歩き出したら、周りの風や波を見ずに❸疑わず、迷わず、ためらわず、キリストに向かって一気に駆け寄れと言っているのでしょう。
信仰とは、キリストを見つめて迷わず駆け寄る姿勢なのです。
60代の今も急な突風に難儀することがあります。
終末の嵐や突風を見て、怯えているようでは、終末の湖の上を歩くことができないぞ、❸疑わず、迷わず、ためらわず、わたしに向かって一気に駆け寄れと語られているようです。
躓く度に、主は、「信仰の小さい者よ、なぜ❸疑ったのか、迷ったのか、ためらったのか」と優しく手を伸ばして、私をつかんで引き上げてくれるのです。ありがたいことです。
「主よ、助けてください!」と言ったペテロを引き上げた主よ。主イエスよ!終末の荒波にもまれるわれらを助け給え!
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