マタイ21:12-45より
「12それから、イエスは❶宮にはいられた。そして、❶宮の庭で売り買いしていた人々をみな追い出し、また両替人の台や、はとを売る者の腰掛をくつがえされた。
13そして彼らに言われた、「『わたしの家は、❷祈の家ととなえらるべきである』と書いてある。それだのに、あなたがたはそれを❸強盗の巣にしている」。
14そのとき❶宮の庭で、盲人や足なえがみもとにきたので、彼らをおいやしになった。
............中略………
19そして、道のかたわらに一本の❹いちじくの木があるのを見て、そこに行かれたが、ただ葉のほかは何も見当らなかった。そこでその木にむかって、「今から後いつまでも、おまえには❺実がならないように」と言われた。すると、いちじくの木はたちまち❻枯れた。
............中略………
43それだから、あなたがたに言うが、❼神の国は❽あなたがたから取り上げられて、御国にふさわしい❺実を結ぶような❾異邦人に与えられるであろう。
............中略………
45❽祭司長たちやパリサイ人たちがこの譬を聞いたとき、❽自分たちのことをさして言っておられることを悟った」
マタイ伝では、宮清めのあと、イエスが❹いちじくの木を❻枯らす場面が出てきます。これは❺実を結ばない❹いちじくを使って、これから起こることを象徴的に示しているようです。エレミヤ24:1ー2には、以下のようにあります。
「見よ、❶主の宮の前に置かれている❹いちじくを盛った二つのかごがあった。2その一つのかごには、はじめて熟したような非常に良いいちじくがあり、ほかのかごには非常に悪くて食べられないほどの悪いいちじくが入れてあった。」
❶主の宮にある❹いちじくについて書いてあります。非常に良い❹いちじくは、✜主を知る心、❷祈り心の者。食べられない悪いいちじくは、金銭や⓫まいない(ワイロ)にとりつかれた❸強盗の心の者。
非常に良いいちじくについて、エレミヤ24:6-7で、「6わたしは彼らに目をかけてこれを恵み、彼らをこの地に返し、彼らを建てて倒さず、植えて抜かない。7わたしは彼らに✜わたしが主であることを知る心を与えよう。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らは一心にわたしのもとに帰ってくる。」と言われる。
また、ミカ7:1には、❹いちじくについて、
「1わざわいなるかな、わたしは夏のくだものを集める時のように、ぶどうの収穫の残りを集める時のようになった。食らうべきぶどうはなく、わが心の好む❹初なりのいちじくもない。2神を敬う人は地に絶え、人のうちに正しい者はない。❿みな血を流そうと待ち伏せし、おのおの網をもってその兄弟を捕える。
3両手は悪い事をしようと努めてやまない。つかさと裁判官は⓫まいないを求め、大いなる人はその心の悪い欲望を言いあらわし、こうして彼らはその⓬悪を仕組む。」
この預言は、イエスのエルサレム入場を暗示するようです。❹初なりのいちじくは実らず、つかさと裁判官は、宮で⓫まいないを求め、心は欲望で満ち、主イエスや聖徒たちの❿血を流そうと⓬悪を仕組むのです。
このイチジクの木を呪って枯らしてしまう奇跡は、紀元70年のエルサレム神殿の崩壊を暗示するものでした。神殿が❷祈りの家でなく❸強盗の巣になってしまった結果です。
そしてマタイ21章では、
「43それだから、あなたがたに言うが、❼神の国は❽あなたがたから取り上げられて、御国にふさわしい❺実を結ぶような❾異邦人に与えられるであろう。
45❽祭司長たちやパリサイ人たちがこの譬を聞いたとき、❽自分たちのことをさして言っておられることを悟った」と続くのです。
❼神の国は、❶❽ユダヤの神殿から取り上げられ、御国にふさわしい❺実を結ぶ❾異邦人に与えられるのです。この御国にふさわしい❺実とは、モーセやダビデ時代のように神の豊かな臨在のあらわれる❷祈りの家を実現することです。⓫欲望と⓬悪に満ちた心でなく、✜ YHWHが主であることを知る心。「彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる」と言われるように、一心に主のもとに帰る=御国に入るようなダビデの祈りと礼拝と賛美の実、御国にふさわしい実を結ぼうではありませんか!❸強盗の巣ではなく『❷祈りの家』とよばれるように。
イチジクの木の奇跡は、意味のないものではないのですね。もうひとつ大切な句があります。
マタイ24:32ー33
「32いちじくの木からこの譬を学びなさい。その枝が柔らかになり、葉が出るようになると、夏の近いことがわかる。33そのように、すべてこれらのことを見たならば、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。」
第2のエルサレム入場が始まろうとしています。そこに御国にふさわしい❺実は見つかるでしょうか。
※いちじくは、イスラエルを示す木です。