神の至聖所 ~聖書とキリストの啓示より~

 神の臨在(至聖所)の中で開かれる聖書の啓示を紹介します。聖書の日本語訳に疑問を持ったのを切掛けに、プロテスタント、カトリック、ユダヤ教などに学び、終末預言や聖書解釈の記事も載せていきます。栄光在主!

❤️心を尽くすとは  ~皆に体験してほしい不思議な癒し 奇跡7

  この一週間、仕事の問題があり追われる毎日でありました。その忙しさやプレッシャーから心臓が痛む状態でした。心が痛いというよりも、心臓が痛むのです。

 そのとき、第一の戒めとして示された「❶心を尽くして、主なる神を愛せよ」ということばが思い浮かびました。英文では、”Love the Lord your God with all your heart”(心臓のすべてで、主なる神を愛せよ。ルカ10:27)とあります。 「❤️ああ、そうだ。このわたしの小さな心臓を、主に捧げよう。十字架上で張り裂けてしまった主イエスの心臓のためにも、わたしの小さな心臓が何か役に立つかもしれない。この心臓をまず天に積んでしまおう。こんな幸いなことはない。」そう思って、祈ると、なんと今までキュウキュウとしていた心臓が本当に楽になり、圧迫もどこかへ行ってしまいました。そればかりでなく、人前で話すときに緊張するタイプでしたが、それが消えてなくなったのです。本当に不思議な癒しの体験でした。これは、みなさんにも体験してほしい豊かな祝福です。

❤️「あなたの宝あるところに、心(心臓)在り」(マタイ6:21)。このご恩寵は、感謝でたえません。

 

申命記6:5の本文といくつかの訳を書きます。

【ヘブル語】

וְאָהַבְתָּ אֵת יְהוָה אֱלֹהֶיךָ בְּכָל־לְבָבְךָ וּבְכָל־נַפְשְׁךָ וּבְכָל־מְאֹדֶךָ׃

ヴェアーハヴー エット アドーイ エローヘイハー
ベホル ❶レヴァーヴハー ウーヴェホル ❷フシハー ウーヴェホル ❸メオーデハー

【回復訳】

あなたは❶心を尽くし、❷魂を尽くし、❸力を尽くして、エホバ・あなたの神を愛さなければならない。 

【原文校訂による口語訳】
あなたは❶心を尽くし、❷精神を尽くし、❸力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。

【新改訳改訂3】
❶心を尽くし、❷精神を尽くし、❸力を尽くして、あなたの神、【主】を愛しなさい。
 

【NKJV】
You shall love the Lord your God with all your ❶heart, with all your ❷soul, and with all your ❸strength.

【KJV】

And thou shalt love the LORD  thy God with all thine ❶heart, with all thy ❷soul, and with all thy ❸might.

 

 日本語訳では、すべて命令文で訳していますが、KJV訳、およびNKJV訳では”shall”を遣い、そのまま将来のことと訳しています。ヘブル語では将来確実にそうなることを完了形で表わすために、「❹そうすれば愛するようになる」と訳せます。英語の聖書は、この訳が多いようです。日本語訳とは違っています。

 ヘブル語では普通、命令形の「~しなさい」ではなく、預言的完了形、「❹愛するようになる」と訳しているとも解釈できます。

 それから、どうも納得が行かないことがあります。まず❶心や❷精神や❸力を尽くすなど、抽象的すぎると思いました。主は、旧約でも新約でも、いつも具体的に示される方です。十戒は、本当に具体的な戒律です。出エジプト記全体でもこんな抽象的なことばは出てきません。その後のレビ記も細部にわたって具体的です。

 訳が違うんじゃないか。

❶心、❷精神、❸力?本当なのでしょうか。

それぞれの単語がヘブル語では違う意味も持っています。

 まず、❶心は「❶心臓」と言う意味もあります。この心を尽くすとは、「❶心臓全体で」と訳せるのではないでしょうか。

 次に❷精神は、回復訳や新共同訳では、「魂」と訳されています。また、「いのち」とも訳せます。

 次は❸力です。これは、以下のCREDENDAagenda ~モスクワのクライストチャーチミッションのジャーナルの説明を読んで下さい。

注)

מְאֹדֶך is notoriously difficult to translate– the traditional Jewish interpretation dating from the late second temple period was ‘your wealth’ (c.f., Jesus answer to the rich young ruler which echoes Deut. 6 and this interpretation), alongside ‘thoughts’ for heart and ‘life’ (i.e., martyrdom) for soul. I have followed the usual English rendering – ‘strength’ which can❸ include the idea of ‘wealth’ in a broader context.

 

 この❸מְאֹדֶך ❸力には、マタイ19章の金持ちの青年の逸話より、「富」という考えもあるのではないかと言っています。確かに力には「富、権力、能力」などが含まれます。

色々あてはまりますが、❶は、「心、心臓」 ❷は、「魂、精神、いのち、人生」 ❸は、「力、富」 が妥当だと考えます。

 我流ですが、上記を踏まえて直訳を試みてみます。

【直訳】申命記6:5

 ❹そうすればあなたは、主YHWH・あなたの神を必ず愛するようになる。

あなたの❶心(心臓)のすべてで、またあなたの❷魂(いのち)のすべてで、またあなたの❸力(富)のすべてで。

 【より具体的な意訳】申命記6:4、5

 聞け、イスラエルよ、YHWHはわたしたちの神である。YHWHは唯一である!

 ❹そして、あなたの❶心臓のすべてで、❷いのちのすべてで、❸富のすべてで、あなたの神、YHWHを愛するようになる。

 

 これは、旧約時代にはできなかった戒(命令)でもあり、エレミヤの預言にあるような新約の聖霊降臨によって可能になる預言的完了形でもあります。

「わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。そのようにして、人々はもはや、『主を知れ。』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。-主の御告げーわたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」エレミヤ31:33ー 34 

 

 もうひとつ。❷の「魂」や「いのち」は、「血」を暗示しているように思います。それは、レビ記に以下のようにあるからです。

 

「肉の❷命は血にあるからである。あなたがたの❷魂のために祭壇の上で、あがないをするため、わたしはこれをあなたがたに与えた。血は❷命であるゆえに、あがなうことができるからである。」 レビ17:11

    ❷のほかの意味「血」は「❷いのち」であると言っています。❶心臓と❷血で対になるようにも思います。

十字架上でわれらの贖いのために❷「血」を流し、❶「心臓」を張り裂き、父との関係❸「権能」をも捧げ死なれた主イエス。第一の戒めを達成された主イエスにならうように、われわれも共に十字架を負うようにと暗示しているようにも感じます。

【以上を参考に意訳】申命記6:4、5

 聞け、イスラエルよ、YHWHはわたしたちの神である。YHWHは唯一である!

 ❹そして、あなたの❶心臓のすべて、❷血のすべて、❸権能のすべてを献げて、あなたの神、YHWHを愛するようになる。

 

 われわれの贖いのために、❶心臓を裂き、❷血を流し尽くし、❸権能をも献げた主イエスは、愛の神YHWHを体現するお方でした。その愛の神を唯一の神として見上げるなら、❶心臓 ❷血 ❸権能のすべてを十字架上に献げて❹主なる神を愛するようになると言っているのでしょう。

 

※以上は奥が深く、私にはまだまだ充分に理解できない聖書の核心部分です。多くの奥義が隠されています。聖霊のインスピレーションが研ぎ澄まされます。どうぞ参考にしてください。

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