神の至聖所 ~聖書とキリストの啓示より~

 神の臨在(至聖所)の中で開かれる聖書の啓示を紹介します。聖書の日本語訳に疑問を持ったのを切掛けに、プロテスタント、カトリック、ユダヤ教などに学び、終末預言や聖書解釈の記事も載せていきます。栄光在主!

実際にある聖書史跡4 ~今も見られるモーセの渡った海

出エジプトモーセが渡ったのは、紅海ではなく「葦の海」 です。

出エジプト13:18「神は民を、葦の海に通じる荒れ野の道に迂回させられた。イスラエルの人々は、隊伍を整えてエジプトの国から上った。19モーセはヨセフの骨を携えていた。ヨセフが、「神は必ずあなたたちを顧みられる。そのとき、わたしの骨をここから一緒に携えて上るように」と言って、イスラエルの子らに固く誓わせたからである。 20一行はスコトから旅立って、荒れ野の端のエタムに宿営した。」(新共同訳)

出エジプト15:04「主はファラオの戦車と軍勢を海に投げ込みえり抜きの戦士は葦の海に沈んだ。」(新共同訳)

詩篇106:9「葦の海を叱って、それを乾かし、彼らを導いて荒野を行くように、淵を通って進ませた。」(原文校訂による口語訳)

 今までの和訳聖書では、ヘブル語 יַם־ס֑וּף ”yam-suph”を「紅海」と誤訳していました。しかし、メシアニックの英訳では”the Sea of Reeds”(葦の海)と訳されています。新共同訳では、正しく「葦の海」と訳されるようになりました。イスラエルの民がファラオから逃げて、ミグドルに戻り、紅海まで行くのでは、遠すぎると思いませんでしたか。列王記上9:26から「紅海」と訳す傾向がありますが、その原文は、われわれの言う一般的な「紅海」をyam-suph b’erets ‘Edom(エドムの地の葦の海)と言っており、エジプトとエドムの地をきちんと区別していることも理解しなければいけません。出エジプトでは、エドムの地ではない”yam-suph”=ただの「葦の海」と書いてあるのです。また、ミグドルに近いところを渡ったのです(出エジプト14:2)。ミグドルは、下の地図にもあります。探してみてください。

※写真はミグドル近くのバーダウィル湖(民数記33:7)の砂漠の砂でできた長い砂州です。ペリシテ人の道を迂回するような砂州が当時このようにはっきり海上に出ていたのかはわかりません。

ヨシュア記2:10では、ラハブがこう言っています。「あなたたちがエジプトを出たとき、あなたたちのために、主が葦の海の水を干上がらせたことや、あなたたちがヨルダン川の向こうのアモリ人の二人の王に対してしたこと、すなわち、シホンとオグを滅ぼし尽くしたことを、わたしたちは聞いています。」(新共同訳)

また、出エジプト記14:21には「主は夜もすがら激しい東風をもって海を押し返されたので、海は乾いた地に変わり、水は分かれた」とあります。

強風が吹くことで渇いた地が現れたのです。

※19世紀後半、エジプトに侵攻したイギリス軍のTulloch少将 の記録に、現地で強風が吹き潟湖の水が無くなったとあるそうです。モーセイスラエルは、強風で水の無くなった海(潟湖)の底を海にせり出した砂州に向かって渡ったのなら、イスラエル砂州に着くと強風が止み、エジプト軍は満ちてきた海水に呑まれたという理解もできます。その後、イスラエルは波に挟まれた砂州を歩くことができたわけです。聖書の記述は一連の史実としてよく理解できます。

Ex13:18 Hence Elohim led the people around by the way of the wilderness to the Sea of Reeds;and the sons of Yisrael went up armed from the land of Egypt.

 

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 「イスラエルの人々に告げ、引き返して、ミグドルと海との間にあるピハヒロテの前、バアルゼポンの前に宿営させなさい。あなたがたはそれにむかって、海のかたわらに宿営しなければならない。」出エジプト14:2(口語訳)

「葦の海を叱って、それを乾かし、彼らを導いて荒野を行くように、淵を通って進ませた。」詩篇106:9(原文校訂による口語訳)

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この地図には、ミグドルと潟湖の位置がしっかり記されています。

Googlemap  バーダウィル湖の砂州

 https://www.google.co.jp/maps/@31.2025437,33.2006402,11z/data=!3m1!1e3

*船の出入りのため、現在では砂洲は複数切られている。

 

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