神の至聖所 ~聖書とキリストの啓示より~

 神の臨在(至聖所)の中で開かれる聖書の啓示を紹介します。聖書の日本語訳に疑問を持ったのを切掛けに、プロテスタント、カトリック、ユダヤ教などに学び、終末預言や聖書解釈の記事も載せていきます。栄光在主!

実際にある聖書史跡14 〜大いなる淵の水とは

モーセ  が渡った海について、実際にある聖書史跡4で紹介した葦の海について、聖句を列記します。

「海を、❶大いなる淵の水を、干上がらせ 深い海の底に道を開いて 贖われた人々を通らせたのは あなたではなかったか。」
‭‭イザヤ書‬ ‭51:10‬ ‭新共同訳‬‬
https://bible.com/bible/1819/isa.51.10.新共同訳

 

イザヤ書には、出エジプトの場面が語られています。そこには、「❶大いなる淵の水」という表現があります。

一体,なんのことでしょう。

この写真でわかるはずです。

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※写真はミグドル近くのバーダウィル湖(民数記33:7)の砂漠の砂でできた長い砂州です。ペリシテ人の道を迂回するような砂州が当時このようにはっきり海上に出ていたのかはわかりません。上方がエジプトです。

バーダウィル湖は海にせり出した淵です。モーセが渡ったのは、バーダウィル湖,別名「葦の海」 です。

出エジプト13:18「神は民を、葦の海に通じる荒れ野の道に迂回させられた。イスラエルの人々は、隊伍を整えてエジプトの国から上った。19モーセはヨセフの骨を携えていた。ヨセフが、「神は必ずあなたたちを顧みられる。そのとき、わたしの骨をここから一緒に携えて上るように」と言って、イスラエルの子らに固く誓わせたからである。 20一行はスコトから旅立って、荒れ野の端のエタムに宿営した。」(新共同訳)

出エジプト15:04「主はファラオの戦車と軍勢を海に投げ込みえり抜きの戦士は葦の海に沈んだ。」(新共同訳)

詩篇106:9「葦の海を叱って、それを乾かし、彼らを導いて荒野を行くように、淵を通って進ませた。」(原文校訂による口語訳)

 今までの和訳聖書では、ヘブル語 יַם־ס֑וּף ”yam-suph”を「紅海」と訳していました。しかし、メシアニックの英訳では”the Sea of Reeds”(葦の海)と訳されています。新共同訳では、正しく「葦の海」と訳されるようになりました。イスラエルの民がファラオから逃げて、ミグドルに戻り、紅海まで行くのでは、遠すぎます。列王記上9:26から「紅海」と訳す傾向がありますが、その原文は、われわれの言う一般的な「紅海」をyam-suph b’erets ‘Edom(エドムの地の葦の海)と言っており、エジプトとエドムの海をきちんと区別していることも理解しなければいけません。出エジプトでは、エドムの地ではない”yam-suph”=ただの「葦の海」と書いてあるのです。また、ミグドルに近いところを渡ったのです(出エジプト14:2)。ミグドルは、エジプトから近い地中海側にあります。

渡ったのは、紅海ではなく「葦の海」 です。

 

淵についての聖句

出エジプト15:04「主はファラオの戦車と軍勢を海に投げ込みえり抜きの戦士は葦の海に沈んだ。」(新共同訳)

詩篇106:9「葦の海を叱って、それを乾かし、彼らを導いて荒野を行くように、❶淵を通って進ませた。」(原文校訂による口語訳)

「葦の海は主に叱咤されて干上がり 彼らは荒れ野を行くように❶深い淵を通った。」

‭‭詩編‬ ‭106:9‬ ‭新共同訳‬‬

「主は輝く御腕をモーセの右に伴わせ 民の前で海を二つに分け とこしえの名声を得られた。 主は彼らを導いて❶淵の中を通らせられたが 彼らは荒れ野を行く馬のように つまずくこともなかった。」
‭‭イザヤ書‬ ‭63:12-13‬ ‭新共同訳‬‬

創世記でも,ヨセフへの祝福の箇所で出エジプトの淵のことに触れています。

「どうか、あなたの父の神があなたを助け 全能者によってあなたは祝福を受けるように。 上は天の祝福 下は横たわる❶淵の祝福 乳房と母の胎の祝福をもって。」
‭‭創世記‬ ‭49:25‬ ‭新共同訳‬‬

 

現在でもその淵が見られます。

Bardawil Lake
https://goo.gl/maps/WsbwXVJ5748ri3tM9

 

この淵に向かって,干あがったバーダウィル湖をモーセ  率いるイスラエルは渡ったのですね。